実験・実習・授業

「第6回中高生によるサイエンス広場」に参加

 2019年11月23日(土・祝)、札幌市青少年科学館において、「第6回中高生によるサイエンス広場」が開催されました。これは、中学校・高等学校科学部の生徒が、小学生をはじめとする一般の来場者を対象とした簡単な実験や工作などの体験ブースを開設し、来場者たちとコミュニケーションをとりながら、実験や工作に一緒に取り組むという科学イベントです。

 本校科学部は、毎年このイベントに参加させて頂いており、このイベントへの参加を楽しみにし、普段から今年度のブースのテーマおよび内容を考えてきました。本校から科学部1年生4名(千葉柊華さん、堀井彩花さん、坂本光君、坂本悠悟君)が参加し、今年度は「おうちで簡単!森林浴~おがくずから森の香りを~」というテーマでブースを開設しました。

 10時入場開始から、14時終了まで小学生をはじめとするたくさんの来場者が訪れ、熱心に取り組む小学生たちとコミュニケーションをとりながら、実験や工作に一緒に楽しく取り組みました。来場者の方々とのコミュニケーションを通じて、幾つかの改善点や足りない点に気づかされ、この一日で多くのことを学びました。また、オガクズの研究内容について、保護者の方々にポスターによる説明を行い、興味・関心をもってもらうこともできました。

 1年生は、科学部で研究活動を始めたばかりでまだまだ微力ですが、科学部の研究活動に常に興味・関心を持って、お互いに協力しながら楽しく取り組んでいます。その楽しさが一人でも多くの子供たちに伝わるように、週末にはこのような科学活動も行っています。来年度は、来場者の方々に実験や工作の楽しさはもちろんのこと、私たち科学部が取り組んでいる研究内容の一端がもっと伝わるように、ブースの内容にさらに工夫を重ねていきます。

青少年のための科学の祭典北広島大会を実施

2019年12月14日(土)、本校で小学生を対象にした理科実験イベント『青少年のための科学の祭典北広島大会』を実施しました。このイベントは今年で10年目を迎え、中高一貫校舎体育館及び理科室で“小学生に理科の楽しさや面白さを伝えること”を目的とし、保護者を含め約200名に来場していただきました。
 会場は小さなブースが多数あり、子供達が自ら興味のある実験をできるように工夫しました。1・2年SSH生徒は、「風船ホバークラフトを走らせよう!」などのブースで子供達と触れ合うことができました。(各ブースのテーマは以下のとおり)
 今後も多くの子供達に触れあい、理科の楽しさや面白さを伝えることで“理科好き”になって欲しいと思っています。

各ブースのテーマ

【1・2年SSH生徒による】

  • 1. じぶんだけのかおりをつくろう

  • 2. 錯視を体験!!

  • 3. 空気砲で遊ぼう

  • 4. 煮干しの解剖をしよう!

  • 5. 暗闇で光るスライムをつくろう!

  • 6. パラシュートをつくろう!!

  • 7. 風船ホバークラフトを走らせよう!

  • 8. ぶんぶんごま

  • 9. スーパーボールをつくろう!

  • 10. かがみをつくろう!!

  • 11. 算数であそぼう!

  • 12. アルミのたまご

  • 【千歳科学技術大学理科工房】
    13. 偏光万華鏡をつくってみよう

  • 【北海道大学大学院理学院自然科学史】
    14. ちょっと危ない実験室~酸の力~

第17回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2019)最終審査会で発表

 ジェイセック(JSEC/高校生科学技術チャレンジ)は、2003年に始まった科学技術と数学の自由研究コンテストです。全国から直接応募を受け付け、専門家の審査委員による書類審査とプレゼンテーション審査で優秀な研究作品が表彰されます。今年度は、全国から267件の研究作品の応募がありました。その中で、本校科学部 抵抗率研究Gが応募していた研究作品「外部電源なしで金属パイプの抵抗率を測定する方法」が最終審査32件に選ばれ、12月14日(土)および15日(日)の2日間にわたって、未来科学館でポスター発表を行いました。

 この研究は科学部の先輩達から7年間にわたって引き継いできた継続研究であり、これまでの研究成果に今年度、新たに得られた成果を加えた作品です。この研究はまだ途中の段階にあり、多くの実験がさらに必要ですが、これまでに数多くの研究成果が得られています。当日は、代表を一人欠いての発表になりましたが、二人で力を合わせて研究内容が多くの人に伝わるように頑張りました。質疑応答を通じて幾つかの課題も見つかり、また他校の発表者との交流を通じて、多くの刺激を受けることができました。吉藤健太郎さんとも直接お話ができ、研究意欲をさらに高めることができました。

 今後も、抵抗率の研究がさらに深化するように、信頼できる実験データを一つひとつ積み重ねていきます。学問および応用面に少しでも貢献できる研究を目指し、後輩達と協力しながら粘り強く取り組んでいきます。

第63回日本学生科学賞中央最終審査において旭化成賞を受賞

 日本学生科学賞は、毎年行われる中学生や高校生を対象とした科学コンクールで、日本で最も伝統と権威のある科学賞で知られています。今回、科学部地磁気研究Gが応募していた研究作品「ネオジム磁石による地磁気の測定」が中央最終審査に進む20作品に選ばれ、2019年12月22日(日)および23日(月)の2日間にわたって、日本科学未来館でポスター発表を行いました。この研究は、2年前から地磁気研究Gが継続して行ってきた研究であり、最終審査ではこの1年間に得られた成果を発表しました。その結果、24日(火)の表彰式で旭化成賞を受賞することができました。  この研究には、まだ多くの課題が残されています。それらの課題を引き継ぎ、研究がさらに深化するように、これからも努力を積み重ねていきます。

第2回持続可能な世界・北海道高校生ポスターコンテスト 優秀賞・環境学習フォーラム賞

 このコンテストは、持続可能な開発のための教育ESD(Education for Sustainable Developmentの略)や持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goalsの略)の「我々の世界を変革する」「誰一人取り残さない」も合言葉に、多様な視点から審査するポスターコンテストです。

 今回は、全道から14校、28作品の応募がありました。本校科学部「地球規模課題研究G」から環境部門(自然環境・環境保全等)に作品「未来を担うオガクズの力」を応募し、優秀賞および環境学習フォーラム賞を受賞しました。今回受賞した作品は、この1年間に取り組んだ研究成果をまとめたものです。

 林産廃棄物の再活用をはじめ、現在、数多くの地球規模課題に北海道内の企業や研究機関等の協力を得ながら取り組んでいます。研究をさらに深化させ、持続可能な社会を目指してこれからも努力を積み重ねていきます。

「第12回高校生バイオコン&第13回東工大バイオものコン2020」で作品を発表

 このコンテストは、東京工業大学生命理工学院が主催し、高大連携による高校生の競創的学習の促進を目的としています。1月25日(土)、東京工業大学すずかけ台キャンパスすずかけホールにおいて開催され、高校生11チーム、大学生7チーム、計18チームが参加しました。本校から「おがフレ」チームが作品「おうちで簡単!森林浴~おがくずから森の香りを~」を発表し、審査員特別賞を受賞しました。今回は、東工大バイオものコンと同時開催となったため、大学生チームの作品内容およびプレゼンテーションを見学することができ、教材開発を進めていく上で非常に参考になりました。また、懇親会にも参加し、他の高校生チームと十分に交流を深めることができました。

 この作品には、種々の香りをすべての人が直感的にイメージできるような表現法の開発、小中学生に「香り」に対する科学的興味をもってもらえるような教材の開発など多くの課題が残されています。このような課題を一つひとつ解決し、小中学生に興味をもってもらえるような教材開発を目指し、これからも努力を積み重ねていきます。

SSH生徒研究発表会(2年口頭発表)を開催

2020年2年2月1日(土)、2年SSH生徒による生徒研究発表会が行われました。普段から取り組んでいる課題研究の研究成果を発表する機会であり、研究内容の深化およびプレゼンテーション能力等の向上を目的とし実施し、生徒たちの日々の努力が感じられる発表会でした。緊張している生徒・堂々としている生徒など様々な表情が見受けられましたが、今後に活かせる良い経験をしました。
 生徒たちは13件の口頭発表を行い、発表ごとに生徒から多くの質問があり、活発な意見交換の場となりました。その後、大学の先生方より研究について指導・助言をいただき、今後の研究の進め方を見直す機会にもなりました。この発表会を通じて、課題研究に取り組むことにより論理的思考力が確実に身についてきていることを実感できました。
 今後、生徒たちは3年前期まで、科学論文の執筆と研究発表会(英語口頭発表)を実施します。
 発表した研究テーマは以下の通りです。

口頭発表

  • 1  部活動別の指の菌について

  • 2  ケルセチンの抽出について

  • 3  ネオジム磁石を用いた地磁気の測定

  • 4  抵抗率の測定法

  • 5  ゼーベック効果を用いた発電効率

  • 6  ゴムボールの跳ね方

  • 7  天晴れ!すばらしき防音ツール

  • 8  音色と音の物理的性質の関係

  • 9  磁気・磁力と熱の関係

  • 10  豊平川の古流向を調べる

  • 11  ゴマシジミの保護を目指して

  • 12  物体の自由落下について

  • 13  ゼータ関数の臨界領域での挙動の考察

SSH科学技術人材育成重点枠に選定されました

 SSH指定校は、昨年(令和元年度)212校でした。この中でも、より先進的な取組を行うことが認められた学校には、「重点枠」として従来の「基礎枠」に加えて特別な支援を受けて研究をすることができます。次年度の重点枠として全国で5校選定されましたが、この中に本校も入ることができました。
 本校は「地球規模課題に関わる社会との共創」という重点枠区分の中で「地球規模の課題を独自の連携によって解決に迫り、新たな価値を創造する人材の育成」をテーマにこれまでの研究をさらにパワーアップして進めて参ります。具体的には、研究テーマを、1資源循環 2エネルギー 3健康・医療 4気候変動 5地磁気 6人工知能(AI) の6つに絞り込み、各テーマによって個別の研究機関や専門家と緊密な連携を結び、実践的な研究を行おうとするものです。本校は2年前からこの重点枠の取組を始めており、すでに研究が進んでいます。この指定を機に、なお一層活発に取り組んで北海道から世界に貢献する科学者の育成を目指します。

令和2年度SSH 重点枠を含む概要 ※PDFファイルが開きます。

3年生SSH生徒研究発表会(英語口頭発表)を実施

 8月1日(土)、SSH活動3年間の課題研究活動のまとめである英語口頭発表会が行われました。新型コロナウイルスの影響で発表会の開催が危ぶまれましたが、運営指導委員の先生方にオンラインで参加していただくことで、無事開催することができました。この発表会のために、3年生は英語教諭の指導・助言を受け、発表スライド作成するなど多くの準備をしてきました。
 また、当日に備えて発表練習を何度も行いました。その成果もあり、当日は13班すべてが発表を終えることができました。
 発表会の最後には生徒代表挨拶として8組の宍戸さんが、3年間の課題研究活動を振り返りながら、発表に関わった方々にお礼を述べ、無事、発表会を終了することができました。

また、発表テーマは以下の13テーマとなります。

  • 1, The Change of Magnetic Power due to The Heat

  • 2, Relationship between Timbre and Physical characteristics of sounds

  • 3, The behaviour of some kinds of zeta function in the critical strip

  • 4, Awesome! Useful Soundproofing

  • 5, Method of measuring resistivity

  • 6, CHANGE OF "COEFFICIENT OF RESTITUTION" UNDER VARIOUS CONDITIONS

  • 7, Using the Seebeck effect to generate power more efficiently

  • 8, Identification of bacteria

  • 9, Investigate the paleo current of the Toyohira River

  • 10, Aiming to protect the Scarce Large Blue

  • 11, Free fall of objects

  • 12, Extraction of quercetin

  • 13, Measurement of the Earth's Magnetic Field with a Neodymium Magnet

【SSHフィールドワークを実施】

 2020年10月24日(土)、高校1,2年生のSSH選択者16名が本校周辺地域のフィールドワークに出かけました。このフィールドワークの狙いは以下の3点です。

①北海道の化石、特に北広島市周辺で発見された化石について理解すること。
②本校の土台となっている野幌丘陵の成り立ちと支笏火山の活動史を学習すること。
③自然の歴史的な見方を取得し、自然とのかかわり方を学ぶこと。

 参加した生徒たちは、学校出発前に校舎玄関前から見える樽前山と恵庭岳の位置関係を確認しました。またこの2つの山の間に支笏湖があることも頭に入れながら、最初の目的地である北海道博物館に向かいました。ここでは北広島市で発見されたケナガマンモスやナウマンゾウをはじめとする大型哺乳類の復元模型が展示されています。展示室を一通り見学した後、生徒たちは学芸員の方から「北海道の化石」についての講義を受けました。この中で寒冷地に生息するケナガマンモスと比較的温暖な地域に生息するナウマンゾウがほぼ同時期に生活していた可能性について学びました。

 北海道博物館での講義の後、生徒たちはバスに乗り国道274号線を北広島西の里砂採取場へと向かいました。274号線を移動中「椴山」と呼ばれるところが丘陵地のピークであるとの説明を受けました。椴山を通過後しばらくして西の里砂採取場の露頭でクロスラミナと呼ばれる地層を見学しました。この場所は昨年度、何名かの生徒が貝化石を発掘した場所でしたので、生徒たちは化石を発見しようと張り切って斜面を削りましたが、今年は残念なことに化石を発掘することはできませんでした。

 西の里砂採取場での発掘を終えた後、生徒たちは島松軟石採掘跡に向かいました。ここは旧島松駅逓所近郊にあり、現在は高速道路の真下に位置しています。島松軟石は4万年前の支笏火砕流堆積物によるものです。生徒たちは近くに落ちている島松軟石の破片を観察し、その特徴を理解することができました。
 千歳市で昼食休憩を挟んだ後は、美々貝塚に行き縄文人の生活跡を見学しました。展示施設の中には約80㎝程の貝殻が詰まった地層が保存されていました。貝殻層の上下には樽前山の火山により堆積した火山灰層が堆積しているのが分かりました。美々貝塚の見学により、生徒たちは数千年前にはこの千歳市近郊まで海岸線があったという事を知りました。

 フィールドワークの最後に向かったのは千歳市と苫小牧市の境界に位置する場所でした。ここの露頭では恵庭火山噴出物や支笏火砕流堆積物がはっきりと層状に堆積しているのを見ることができました。ここでは支笏軽石堆積物層のところに化石林が発掘できます。これはもともと森林があった場所に火山灰や軽石が急速に堆積し、その熱で森林が炭化したものと考えられています。生徒たちは説明を受けた後、斜面を登って化石林の発掘に挑戦しました。一生懸命にやったかいがあり、多くの生徒が化石林を発見しました。発掘したものの中には長さが90㎝、直径が10㎝程のものもありました。

 わずか一日で学校周辺地域の地質に関する知識を学ぶことができ、今年度のフィールドワークを終えることができました。参加した人は今回のフィールドワークの経験を今後に生かしてほしいと思います。