実験・実習・授業

第18回アジア太平洋化学工学連合会議(APCChE2019)Student Programでポスター発表

2019年9月23日(月・祝)、札幌コンベンションセンターにおいて開催されたStudent Program in APCChE 2019に参加し、国内外から参加した大学生の方々に混じってショートスピーチおよびポスター発表を行いました。  APCChE 2019は、SDGsへの貢献をテーマとして開催され、実学である化学工学のSDGsに対する新たな試みを支援すべく、Student Programが企画されました。中国、韓国、フィリピン、インドネシア、マレーシアからも大学生が参加し、35件のポスター発表が行われました。本校からSSH・科学部を代表して2年生1名、1年生2名が参加し、”The power of sawdust to support the future of the earth”について専門の先生方など参加者の前で発表し、質疑応答を行いました。
 この研究は、私たちと正和電工株式会社との共同研究になります。水を使わずにし尿処理が可能なバイオトイレで使われているオガクズに注目し、オガクズのアンモニア揮散防止効果について研究をしています。オガクズの有効活用による資源循環型社会を目指し、SDGsに貢献できるように課題解決に向けて取り組んでいるところです。
 今回、化学工学のSDGsへの貢献をテーマとするStudent Programに参加できたことで、SDGsへの関心をさらに深めることができました。札幌日大高校 SSH・科学部は、これからも様々な分野の課題に積極的に挑戦していきます。

北海道ハイテクノロジー専門学校による出前授業を実施

 2019年10月5日(土)の午後からおよそ2時間にわたって、北海道ハイテクノロジー専門学校による出前授業が行われました。この出前授業は毎年SSH選択生徒を対象に行われているもので、DNAの制限酵素処理と電気泳動処理を体験する授業です。毎年本校にお越しいただいているバイオテクノロジー学科の伊藤先生によるDNAの構造や仕組みに関する講義や実験器具の取り扱いなどを学んだあと、生徒たちが実際に実験に取り掛かりました。

 マイクロピペットや電気泳動装置などのように普段使いなれていない実験器具を取り扱うために、最初はぎこちない様子が見られましたが、TAとして来ていただいた学生さんのアドバイスもあり、どの操作も無事に終えることもできました。

 DNAの電気泳動が終了した後は、それぞれの班ごとにDNAのバンドを確認し、目的のDNAを見つけることができました。実験の最後には、伊藤先生から生物学だけではなく将来の進路選択についての貴重なお話をいただくこともでき、生徒たちにとっては有意義な授業となりました。

SSHフィールドワークを実施

 2019年9月28日(土)にSSH選択生徒13名が参加して、SSHフィールドワークが行われました。  このフィールドワークでは、野幌丘陵と呼ばれる場所に立地している札幌日大高校の周辺地域の地質とその成り立ちについて学ぶほか、支笏火砕流堆積物から支笏火山の活動の様子を学ぶ目的で毎年行われています。

 当日のルートは、①旭山記念公園、②藻南公園、③石山緑地公園、④北広島エコミュージアムセンター、そして⑤西の里砂採取場でした。

 当日はバスに乗り、まず旭山記念公園から札幌周辺の地形全景を学びました。旭山公園からは札幌の地形である山地、扇状地、丘陵を一望することができました。

 その後、札幌市南区にある藻南公園で豊平川に入り、河岸段丘の観察をしながら海底火山堆積物などを探したほか、石英斑岩と呼ばれる鉱物採集を行いました。

 石山緑地公園では、支笏火砕流堆積物である札幌軟石や溶結凝灰岩の観察を行いました。

 午前中に札幌市内を巡検し、午後からは北広島市エコミュージアムを訪問しました。ここでは野幌丘陵の成り立ちのほか、北広島市周辺で発見されたキタヒロシマカイギュウの骨格模型のほか、貴重な化石標本を見せていただく機会がありました。

 最後に西の里砂採集場を訪問し、クロスラミナを観察したのち、貝化石の発掘に挑戦しました。何名かの生徒が、砂を削り取る中でいくつかの貝化石を発見し、そのたびに歓声が上がりました。  今回のフィールドワークでは、普段何気なく通り過ぎている道の起伏などが、火山活動や地殻変動などの自然現象によって形成されていることを知る良い機会になりました。

第3回生物資源科学部長杯「生物研究発表会」に参加

 2019年10月26日(土)神奈川県藤沢市にある日本大学生物資源科学部において、第3回生物資源科学部長杯「生物研究発表会」が行われました。今回は日本大学の付属高校のうち、本校を含め10校が参加しました。本校からは科学部生物班の2名が「部活動別の指の菌について」という研究について発表を行いました。

 発表後は大学の先生方から多くの質問などが寄せられて、活発な質疑応答が行われました。発表会終了後は、発表会に参加した付属校生と大学の先生方との懇親会が催され、そこで表彰式が行われました。参加した10校とも素晴らしい研究が多かった中で、本校の発表は見事に第1位を獲得し、研究の着眼点のユニークさなどが高く評価されていました。今回の受賞は生物班の研究に大きな励みとなりました。

第11回「坊ちゃん科学賞 研究論文コンテストと発表会」で優秀賞を受賞

 2019年10月27日(日)、東京理科大学神楽坂キャンパスにおいて第11回「坊ちゃん科学賞 研究論文コンテストと発表会」が開催され、SSH・科学部3年9組 宮本悠史 君(代表)が優秀賞5件に選ばれ、共同研究者である3年9組 石黒駿斗 君とともに口頭発表を行いました。受賞論文である「ネオジム磁石を用いた地磁気水平分力の測定」について専門の先生方など参加者の前で発表し、質疑応答を行いました。この研究は、7年前に先輩達が始めたネオジム磁石の課題研究を後輩達がこれまで引き継ぎ、深化させてきた努力の結晶といえるものです。宮本君と石黒君はこの3年間、二人三脚で頑張り抜き、研究内容に加え先輩達への思いも込めた素晴らしい発表でした。また、優良入賞を受賞した2年8組 上原昂大 君が研究グループを代表して表彰式に出席しました。
 先輩達から引き継いだネオジム磁石の研究をこれまで粘り強く続けてきて本当に良かったと思います。まだ解決しなければならない課題が幾つか残っていますが、これらの課題は後輩たちが引き継いでいきます。

第5回「全国ユース環境活動発表大会」で優秀賞を受賞

 2019年11月10日(日)、札幌市において第5回「全国ユース環境活動発表大会」が開催され、今回初めて本校も参加しました。SSH・科学部の2年8組今村美咲さんが「おがくずの再活用」をテーマに口頭発表を行い、優秀賞を受賞しました。この日は、他のSSH活動日と重なり、今村さんが一人で発表を行いましたが、自分の言葉で要点を的確にまとめた大変立派な発表でした。
 この研究は旭川にある正和電工株式会社との共同研究で、水を使わずにし尿処理が可能なバイオトイレで使われているオガクズに着目し、オガクズの特性やアンモニア揮散防止効果等について研究成果を発表しました。

 現在本校では、北海道の重要資源である森林に関わって、資源循環型社会を目指し、SDGsに貢献できるような課題を多く取り上げ、その解決に向けて取り組んでいるところです。

 今後はオガクズ中の菌による有機物の分解能力などにも焦点を当てて研究を進めていく予定です。この日は、各学校の発表に引き続き、環境問題に関するワークショップを通して他の高校の参加者と交流を行い、大変有意義な時間を過ごすことができました。

一般財団法人「STVグループみらい財団」が本校を訪れました

 本校科学部が地磁気およびオガクズの研究活動をもとに作成した2019年度「STV“高校ブンカ部”応援プロジェクト」応募書類審査の結果、本校科学部が応援先に選ばれ、希望していた備品を一般財団法人「STVグループみらい財団」から贈呈されました。
 2019年11月13日(水)、「STVグループみらい財団」の方々が来校され、16時30分から本校で贈呈式が行われました。科学部は2011年に創部以来、全道高等学校理科研究発表大会に9年連続で発表を行い、全国高等学校総合文化祭 優秀賞をはじめ数多くの実績を積み上げてきました。その過程で、ネオジム磁石1個で、電力を一切使うことなく、金属の抵抗率や地磁気を測定する方法を開発しました。また、正和電工株式会社のバイオトイレに使用されている林産廃棄物であるオガクズに注目し、正和電工株式会社の協力を得てオガクズの基礎研究を始めました。さらに、青少年のための科学の祭典など小学生とともに実験を楽しみながら科学の素晴らしさを伝える科学普及活動にも毎年、取り組んでいます。今回、本校科学部が応援先に選ばれたのは、このような地道な取り組みが評価された結果であると考えています。  「STVグループみらい財団」から贈呈して頂いた備品を研究活動や科学普及活動等に有効に活用させて頂き、科学の素晴らしさをさらに多くの人達に伝えられるように引き続き地道な努力を積み重ねていきます。

第17回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2019)最終審査会への出場が決定

 ジェイセック(JSEC/高校生科学技術チャレンジ)は、2003年に始まった科学技術と数学の自由研究コンテストです。全国から直接応募を受け付け、専門家の審査委員による書類審査とプレゼンテーション審査で優秀な研究作品が表彰されます。

 今年度は、全国から267件の研究作品の応募がありました。その中で、本校科学部 抵抗率研究Gが応募していた研究作品が予備審査を通過し、一次審査会に進む71件に選ばれました。その後、一次審査会が行われ、次の研究作品が高く評価され、最終審査会出場の32件に選ばれました。

 「外部電源なしで金属パイプの抵抗率を測定する方法」(2-8 藤本瑞士君、上原昂大君、今村美咲さん)この研究は科学部の先輩達から7年間にわたって引き継いできた継続研究であり、これまでの研究成果に今年度、得られた成果を加えた作品です。2019年12月14日(土)および15日(日)に開催される最終審査会では、科学部 抵抗率研究Gを代表として、研究成果をわかりやすく正確に伝えられるように、頂点を目指して頑張ります。

第63回日本学生科学賞 知事賞を受賞

 日本学生科学賞(Japan Student science Award, JSSA)は、毎年行われる中学生と高校生を対象とした科学コンクールで、日本で最も伝統と権威のある科学賞で知られています。今回、本校科学部 地学Mグループ(3-9 宮本悠史、3-9 石黒駿斗、2-8 高田駿、2-8中山賢人、2-8 丹野将史)が応募していた研究作品「「ネオジム磁石を用いた地磁気水平分力の測定」」が北海道審査会で道知事賞に選ばれました。

 ネオジム磁石の研究は科学部の先輩から7年間にわたって引き継いできた継続研究であり、それを毎年発展させてきました。この研究は2年前から始まり、これまでの研究成果に加え、今年度得られた研究成果を加えた作品です。地磁気の測定のために、国内だけでなく、赤道付近のシンガポールから北欧のフィンランドまで足を運びました。海外での測定は、アジアサイエンスキャンプや国際学会に招待されて発表した際に、宿泊先のホテルで適切な場所を設定し、夜中に行ないました。日中は発表、夜中は測定と慣れない海外で、疲労は極限にまで達していましたが、振り返ってみるとよく集中してできたと思います。まだ、この研究には幾つかの課題が残っていますが、それらは後輩へと引き継いでいきます。

 私たちは、今後、2019年12月22日(日)、23日(月)に日本科学未来館(東京都江東区青海)で開催される中央最終審査でポスター発表をします。発表会では、科学部を代表して、研究成果をわかりやすく正確に伝えられるように、頂点を目指して頑張ります。

科学部地学Mグループが第63回 日本学生科学賞北海道審査会 表彰式に出席

 2019年11月23日(土・祝)11時30分から、読売北海道6階会議室において、第63回 日本学生科学賞北海道審査会 表彰式が行われました。本校科学部地学Mグループ(3-9 石黒駿斗、2-8 高田駿、2-8中山賢人、2-8 丹野将史、1-9 佐々木結音、(3-9 宮本悠史は都合により欠席))が出席し、研究作品「ネオジム磁石を用いた地磁気水平分力の測定」に対して、北海道経済部産業振興局科学技術振興室 参事 鶴蒔徹様から北海道知事賞の賞状と盾を授与されました。

 私たちは7年前から、磁石の中で最強といわれているネオジム磁石に強い知的好奇心をもって取り組んできました。ネオジム磁石で科学的にもっと面白いことができないだろうか、と問い続けてきた結果、2年前に地磁気のテーマに辿り着きました。実験を何千回と繰り返し、再現性を何度も確認し、異なる方法で地磁気を測定した結果と私たちの結果とを比較するなど、考えられることは殆んどすべて実行に移した結果、測定データが信頼できるものであることを確信しました。ただ一つだけ、北極あるいは南極での測定を検討しましたが、これは実現が難しいと判断し、実行に移すことができていません。そのため極地にできるだけ近く、測定が実行可能な場所としてヘルシンキを選び測定しました。日本物理学会、応用物理学会、日本地球惑星科学連合、国際学会などで発表し、専門の先生方からのコメント一つひとつを熟考し、自分達のデータや考え方を何度も見直してきました。
 また、わかりやすいプレゼンテーションをするためにポスター、スライド、及び論文の中身を発表するたびに粘り強く改善してきました。今回、これらの努力が少しばかり認められ、北海道で初めて大きな賞を受賞できたたように思います。この研究は取り組み始めてから2年しか経過しておらず、そのため内容にまだ深みがなく、数多くの課題や問題も残されています。それらは科学部の後輩が引き継ぎ、既に取り組みを始めています。

 ネオジム磁石に関する研究は、科学部の中で今年度から重点テーマとして位置付け、今後も科学部で引き継いでいくことになりました。ネオジム磁石に関しては、現在、主なテーマが5つ同時進行しており、今回そのうちの一つ、地学分野と物理分野の両分野にまたがった地磁気の研究で受賞することができました。また、ネオジム磁石の研究として既に全国最高賞を受賞している磁気力と距離の関係及び抵抗率測定法、さらには反磁性の研究やエネルギーへの応用研究など残り4テーマについても、科学部で引き続き、さらなるレベルアップを図っていきます。

 この後、12月22日(日)及び23日(月)に、日本科学未来館(東京都江東区青海)で開催される中央最終審査において、私たちは今回受賞した研究内容についてポスター発表をする予定です。発表会では、先輩から引き継ぎ、さらに私たちが深化させてきた地磁気の研究成果をわかりやすく、正確に伝えられるように全力を尽くします。