9月5日(月)~9月17日(金)の期間を研究授業週間と位置づけ、全校をあげて「探究」を意識した授業改善に取り組んでいます。
本校では今年度より「思考コード」を本格的に導入し、夏休み中に行われた教員研修などを通してその理解を深めてきました。思考コードのレベル2から3へ移行する段階、B軸からC軸に移行する段階においては、探究的・創造的な学びの機会が欠かせません。教員研修の際に計画した授業デザインに基づき、全教員が探究・創造の過程を踏まえた授業に挑戦しています。
ここに掲載した写真は、9月9日に行われていた授業の一コマです。
高校1年生の地学基礎の授業では、「札幌軟石」を題材に、その成因に関する「仮説を立てる」という取り組みをしていました。立てた仮説については、後日実際に札幌軟石を産出する露頭を見学しながら、その正しさを確かめるとのことです(見学は希望者のみ)。
同じく高校1年生の物理では「身の回りの現象を物理的に考察する」という夏休みのレポート課題を題材にしながら、「共通テスト」の傾向を踏まえて「問題を作る」という創造的な取り組みをしていました。
高校2年生の生物基礎では、「血液凝固と血液線溶の平衡」「血液の病とその治療」という学習項目に関連して、献血の現状について自分たちで問題を提起し、その解決策を提案するというプロジェクト学習(PBL)を進めていました。中には、「自分たちが立てた“問い”についてもう少し詳しく考えたいので、明日献血に行って看護師さんに聞いてみます」という生徒たちもいました。
同じく高校2年生の英語では、ペアワークによって対話的にワークシートを進める様子が見られました。
これらの授業では、直接的に「知識・技能」を教授しているわけではありませんが、それらを活用することで自然と理解が深まっていく様子を垣間見ることができます。また、従来の一斉講義では難しかった非認知能力(学力テストなどでは測れないコミュニケーション能力や社会性、リサーチ能力などの総称)の育成も、同時にねらうことができます。
知識のみを習得する授業から、資質・能力の変容を基盤とした「探究する授業」への転換 ― 1人の50歩ではなく50人の1歩を大切に、全教員で研究を続けて参ります。