2024年12月14日~19日の日程で,本校1・2年生10名が姉妹校である韓国・仁川科学芸術英才学校(Inchoeon Academy of Science and Arts:IASA)を訪問しています。今回は研修後半の報告です。
学校訪問の2日目は,午前中にいくつかの授業を体験し,午後は国立果川科学博物館(Gwacheon Nationnal Science Museum)での研修を行いました。
PE(体育)では,日本でもなじみのあるドッジボールを行いました。韓国でもルールはほぼ同じですが,違ったのは外野にも動ける範囲があるのと,外野は内野にボールを当てても内野に戻ることはできないということです。外野にボールを集めようとしても外野がうまくキャッチできず動ける範囲から出てしまうと相手ボールになってしまうので,日本のドッジボールよりもやや難易度が高いゲームに感じました。
物理の授業は,「Maple seed Ⅱ」と題した実習でした。この実習は,IASAの訪問団が本校に訪れた際に行ったサイエンスチャレンジをモチーフにしており,それにちなんで「Ⅱ」と名付けられていました。カエデやフタバガキなどの翼果(羽がついた種子)の模型を作り,その落下の様子を動画に収め,映像解析ソフトを用いて運動を数理モデル化するとともに,その結果にどのような生物学的意義が存在するのかを考察するという実習です。本校の生徒は2人1組になり,そこにIASAの生徒が1名ずつ入って協働作業を行い,授業の最後にはそれぞれのチームで得た結論と考察を共有しました。
そのほかにも,音楽の授業ではAIを用いた作曲実習,数学では素数に焦点を当てた謎解き型の授業など,STEAM型授業を標榜するIASAならではの授業を大いに体験することができました。
午後は,韓国を代表する科学博物館である国立果川科学博物館での研修を行いました。巨大な施設の中をバディの生徒と一緒に見学し,おすすめの展示とその紹介文をレポートにまとめました。途中,夕食を済ませたあとはIASAに戻り,ローリングペーパーという日本で言う「寄せ書き」をして簡単にここまでの活動をふり返りました。
3日目は,IASAでお別れ会をしたあと,本校生徒のみでソウル動物園に出かけました。ソウル動物園は世界有数の動物園であり,特に動物福祉(環境エンリッチメント)の分野でさまざまな認定を受けたモデル動物園です。今回の訪問に当たって,動物福祉に関する事前学習や,円山動物園での実習を行い,生徒たちは明確な目標をもって園を見学しました。多くの展示において,その動物の生態に合わせた構造,ストレスを与えにくい構造が工夫されており,動物たちものびのびと過ごしているように見えました。ただし,冬季期間ということもあって大半の施設が閉鎖しており,動物福祉に関する展示・説明パネルも限られていたことから,生徒たちの中には「夏にもう一度見に来たい」と言っている生徒もいました。今回は,この動物園での研修をもってすべてのプログラムが終了となり,残すは帰国のみとなりました。
なお,事前学習を含め今回の一連の研修で得られた成果は,それぞれポスター等にまとめ,本校で2月7日(金)に実施する「未来創造探究フェスティバル」にて発表することになっています。