高校2年生SGLの授業において、ゲストの講師をお招きして、「グローバルに考え、ローカルに働く」をテーマに、4回連続シリーズの講演会を実施しています。
9月11日 伊藤哲也氏(編集者兼ライター)「地域史を編むという仕事」
雑誌の編集長などを務めた経験を踏まえ、積極的に異文化に触れ、それを吸収することで、自分自身の属する文化を相対化して考えることができるようになることの重要性を伝えて下さいました。講演の最後には、そうした異なる価値観を知る機会となる十冊程度の書籍を紹介していただき、その本が書かれた裏話などもお話しいただきました。生徒たちにとって非常に興味深く貴重な機会となりました。
9月25日 井上美香氏(フリーライター)「人生を楽しもうー『知る』ことと、物語を『発見』すること」
北海道における女性ライターの草分けとも言える方の半生を伺い、また当別町史編纂に関わり、戦争中にも関わらず、廃棄命令を無視して保存された敵国アメリカからの青い目の人形や、終戦間際に描かれたのどかな風景は、戦時体制の援農作業を描いた絵であった話、ローカルとグローバルが交わった話など、興味深く生徒たちは聞いていました。生徒たちには、「好き」なことを見つけ、それを掘り下げていくことの重要性を伝えていただきました。
10月2日 宮司正毅氏(元当別町長・株式会社tobe代表取締役) 「北海道におけるGlocalization」
三菱商事時代の話など、グローバルに働いてきた半生を興味深くお話しをされていました。グローバルに働く上で知っておくべきカントリーリスク、しかし、危機を回避するという視点のみだけではなく、プロジェクトを成功させるためには、「現在の世界の情報をしっかりと知っておくことが重要で、グローバルな動きを認知した上で、自身のプロジェクトの特色・特性を活かしたものを作り出さなければならない」との話があり、当別町長時代の、「グローバルに考え、ローカルに働く」具体的な事例などを交えながら、生徒たちは熱心に学んでいました。
各講師の方々には、生徒からロイロノートで寄せられた質問に、一つ一つ丁寧に答えていただきました。高校生の素朴な質問にも、真剣に、そして若者に向けた将来へのメッセージを込めて対応していただき、生徒が自分の将来を想像するとても良い機会になりました。
次回は、13歳の時に満州から家族と共に引き上げを経験した大島眞里子氏をお招きして、「グローバルに生きざるをえなかった私たち」をテーマに講演会を実施する予定です。