本校で初めてとなる公開型の教育研究会として、「第1回SNU教育研究会」が2022年11月11日(金)に開催されました。SNUとは本校(Sapporo Nihon University High School)の略称で、SSHの活動も含めた全校の教育活動全般を他校の先生方や教育関係者に見ていただきながら、教育講演会や研究協議を通じて今後の教育の在り方を研究していくことを目的にしています。また、今回の研究会は、SSH交流会支援事業の採択を受けた取り組みになります。
1回目となる今回は、「探究」をどのように教育課程に位置付けるかをテーマに、登別明日中等教育学校の太田稔先生、酪農学園大学農食環境学群准教授の金本吉泰先生、㈱ライセンスアカデミー講師(元北海道大学高等教育推進機構アドミッションオフィサー)の橋村正悟郎先生にお越しいただき、午前は公開授業、午後は教育研究会を行いました。
午前中に行なわれた公開授業では、中学1年生から高校2年生までの全授業をありのままに公開しました。教科の授業をご覧になった先生方からは「ICTを授業に自然な形で取り込んでおり、生徒のICTリテラシーが高い」「考えさせたりグループで協働させたりする授業が参考になった」「中高一貫校舎の日本史の授業がすばらしかった」という声が上がった一方、「総合的な探究の時間」や「SSH/SGH課題研究」の授業をご覧になった先生方からは「生徒が優秀なので成立しているが、教員と生徒の関わりにはもう少し工夫の余地があるのではないか」というご意見も寄せられました。
午後に行なわれた教育研究会では、まず太田稔先生に「どうする?生徒が探究で外に出るとき-社会に開かれた学びの実際-」という題で講演していただきました。生徒の実際の取り組み事例をご紹介いただく中で、探究は生徒の成長を促す学びであるのはもちろんだが、「自分たち(生徒)の働きかけで社会が動く」ことを実感できることが、自身の将来や生き方にもつながる最も大きな学びになるという提言がなされました。その点で基本的にはどんどん学校外に出ていくべきだが、その過程ではさまざまな課題を乗り超える必要があり、太田先生をはじめ登別明日の先生方がそれをどのように乗り超えていったのかを豊富な事例をもとに解説していただきました。
次に、太田先生のほか金本先生・橋村先生、本校校長の浅利、本校の探究活動全般を統括している未来教育創造部長の村山が登壇したパネルディスカッションでは、校長から本校の探究活動の歴史が、村山からはここ数年の改革の過程の紹介を皮切りに、金本先生からは「探究で育成したい資質・能力とは」、橋村先生から「資質・能力の評価のあり方」をお話いただきました。
最後に、公開授業・講演・パネルディスカッションのまとめとして、本校教員及び来校者の計約100名で研究協議(グループ協議)を行いました。グループワーク学習促進ツール「えんたくん」を用いて、まずは「本日の感想」を中心にしながら、探究および探究的な学びをどのようにカリキュラムに導入するかについて意見交換を行いました。この中では「教科の中で探究することは個人の工夫でどんどんできるが、総探は難しい」「いずれにしても、探究することの目的・目標を共有しておくことが大事」「全校体制に持っていくことや課題設定の指導が難しいが、札幌日大ではどのように進めているのか」など、短時間ではありましたが活発な議論が交わされていました。
今回の研究会では、講師の先生方も含めると実に26名ものみなさまにご参加いただきました。寄せられた多くのご意見をもとに、さらに本校の教育内容を充実させていきたいと考えています。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。第2回以降の研究会も、ご参加をお待ちしております。